高齢者施設の費用、どう抑える?補助金・減税・資金計画のすすめ

高齢者施設への入居を検討する際、多くのご家族が直面するのが「お金の問題」です。施設選びに加えて、入居費用や介護サービス料、医療費など、経済的な負担は決して小さくありません。

しかし、国や自治体の補助金、税制優遇、資金計画の工夫によって、費用負担を大きく軽減できる可能性があります。本記事では、制度の活用法と賢い資金準備のポイントを解説します。


1. 公的補助制度で費用を抑える

高額介護サービス費制度

介護保険の自己負担が一定額を超えた場合、所得に応じて払い戻しが受けられます。住民税非課税世帯では月額24,600円が上限になるなど、低所得者に配慮された設計です。

👉 参考:厚生労働省 高額介護サービス費制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/kougaku-kaigo.html

住宅改修費補助

手すり設置や段差解消などの自宅改修に対し、最大18万円(支給限度額20万円の9割)まで補助されます。改修前の申請が必要です。

社会福祉法人による軽減制度

市区町村民税非課税で、一定の資産要件を満たす世帯には、介護サービス費や居住費・食費の1/4~1/2が軽減されます。


2. 医療費控除や相続税対策も視野に

医療費控除

特別養護老人ホームや介護医療院などで受ける医療的な介護サービス費用は、医療費控除の対象です。家族全体の医療費と合算し、年間10万円(所得200万円未満の場合は総所得の5%)を超えれば適用可能です。

小規模宅地等の特例(相続税)

被相続人が要介護認定を受けて老人ホームへ入居していた場合でも、自宅の土地が一定条件を満たせば、最大80%の相続税評価額の減額を受けられる制度があります。


3. 入居費用の資金計画を立てる

入居一時金と月額費用

有料老人ホームなどでは数百万円~数千万円の一時金が必要な場合も。さらに月額15万~30万円前後の継続的な支出が発生します。

資金源の工夫

  • 年金・貯蓄:日常生活費に充当
  • 不動産売却・リースバック:まとまった資金調達が可能
  • リバースモーゲージ:自宅を担保に資金を借りる制度も活用可

シミュレーションのすすめ

入居期間や介護度の変化を見越して、5年・10年単位での総費用を試算。急な出費にも対応できるよう、数ヶ月分の予備費を確保しておくと安心です。


4. 横浜市の補助制度(2025年7月時点)

横浜市では所得に応じて利用者の負担を軽減する制度が整っています。

ユニット型特養の居住費助成

所得基準を満たす方に対して、居住費の一部(日額最大696円)が助成されます。

紙おむつ給付事業

在宅介護を受ける要介護者に対し、紙おむつなどを現物支給する制度。

福祉用具・住宅改修の助成

介護認定を受けている方に対し、特定福祉用具の購入や住宅のバリアフリー化に対し費用を一部助成。

👉 詳細はこちら:横浜市 福祉・介護の情報サイト
https://www.city.yokohama.lg.jp/


5. 専門家の活用が成功のカギ

制度の多くは「自分で申請しないと受けられない」ものです。ケアマネジャーやファイナンシャルプランナー、税理士への相談を通じて、自分に合った支援制度や資金調達方法を把握することが重要です。


高齢者施設への入居に伴う費用は、高額に感じられますが、公的制度と正しい知識を活用することで、経済的負担は大きく軽減できます。今後ますます進む高齢化社会の中で、賢い資金計画こそが、安心した老後への第一歩です。

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