親がなかなか施設に入りたがらない場合の対処法

~家族が知っておきたい心構えと具体的ステップ~

親が高齢になり、介護や生活支援が必要になってきても「施設には入りたくない」と頑なに拒むケースは少なくありません。
「まだ自分は元気だから」「家が一番落ち着く」「施設はお金がかかるのでは」など理由は様々です。しかし、家族の介護負担が限界に近づいたり、親自身の安全を考えると、施設入居の検討は避けて通れません。

本記事では、**「高齢者 施設 入りたがらない」「介護 施設 拒否 対処法」**といった悩みに寄り添い、家族ができる具体的な対応方法を解説します。


1. 親が施設に入りたがらない理由を理解する

まず重要なのは、なぜ親が拒むのかを丁寧に聞き取ることです。

  • 自立心の強さ:「まだ自分でできる」「子どもに迷惑をかけたくない」
  • イメージの問題:「施設は暗くて自由がない」「人に縛られたくない」
  • 経済的不安:「費用が払えないのでは」「貯金を残せなくなる」
  • 思い出の家を離れたくない:「長年暮らした我が家を出たくない」

こうした心理的・経済的な背景を無視して説得しても、ますます反発を招くだけです。


2. 施設を「敵」ではなく「味方」として伝える

施設は「不自由な場所」ではなく、「生活を支えるパートナー」です。

  • 食事・入浴・医療サポートが整っており、健康管理が安心
  • 趣味活動や交流で生活の質(QOL)が向上
  • 24時間スタッフがいるため、一人暮らしより安全

厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」や自治体の高齢者支援ページなどで、施設の情報を一緒に調べてみるのも有効です(参考:厚生労働省 高齢者介護情報)。


3. いきなり「入居」ではなく「体験・短期利用」から

突然「施設に入ろう」と切り出しても拒絶されがちです。
代わりに、ショートステイやデイサービスを利用して「お試し」体験を提案しましょう。

  • 数日間だけ泊まるショートステイ
  • 週に数回だけ通うデイサービス

実際に体験することで、「意外と快適」「思ったより安心できる」と気持ちが変わるケースも多いです。


4. 家族の負担や将来を伝える

親に「あなたのために」とだけ言っても伝わりにくいことがあります。
その際は「私たち子ども世代の生活・仕事・健康を守るためにも必要」という視点を添えましょう。

例えば:

  • 介護離職のリスクを避けたい
  • 自分たちの子ども(孫)の生活も守りたい
  • 将来の相続や資産管理をスムーズに進めたい

こうした「家族全体の安心」につながる説明は、親に理解されやすい傾向があります。


5. 専門家・第三者の助言を活用

親子間だけで話すと感情的になりがちです。
そのため、ケアマネジャー、地域包括支援センター、NPOの相談員など、第三者を交えて話すと冷静に検討できます。

当NPO法人でも、身元保証・施設入居支援・相続準備に関する相談を受け付けています。実際に施設を見学する際の同行も可能です。

👉 関連記事:高齢者施設の種類と選び方を徹底解説


6. 相続・資産との関係も整理しておく

施設入居は「生活の問題」であると同時に、「資産・相続の問題」でもあります。

  • 自宅を売却して施設費用に充てるケース
  • 相続税の節税対策(小規模宅地等の特例など)
  • 生前贈与や遺言書の作成

これらは専門家と一緒に検討すべき重要事項です。
詳しくは 相続に関する外部記事(みずほ信託銀行) などもご参照ください。


まとめ

親が施設に入りたがらない場合は、理由を理解することが第一歩です。
次に「体験利用」や「第三者の助言」を取り入れながら、少しずつ理解を深めてもらいましょう。

  • 拒否の背景を理解する
  • 施設を「味方」として伝える
  • ショートステイやデイサービスから慣れる
  • 家族の将来も含めて必要性を説明する
  • 第三者の助言やNPOを活用する
  • 相続や資産の視点も整理する

この流れを踏まえることで、親も子も安心して前向きな選択ができるはずです。


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