「支える安心、つながる未来」

~生活支援の課題と私たちのこれから~
NPO法人 生活あんしんサポート
理事長 生田 忠士

超高齢社会を迎える日本において、生活支援の重要性はますます高まっています。高齢者や障がいのある方、頼れる家族が近くにいない独居の方々にとって、日常生活を支える手段や人のつながりが途切れることで、安心して暮らすことが難しくなっています。

近年、私たちが現場で実感しているのは、「制度があっても支援にたどり着けない人」が確実に増えているということです。介護保険や生活保護といった公的制度が存在していても、「申請の仕方がわからない」「誰に相談していいかわからない」「保証人がいないから入院もできない」といった、実務的な“つまずき”が放置されている現状があります。

また、支援を必要としている人ほど、自ら声を上げることが難しい傾向もあります。「迷惑をかけたくない」「自分のことは自分で」と遠慮し、周囲との関係を断ってしまう――。そのような孤立の先にあるのが、今深刻化している「孤独死」や「社会的孤立」です。

私たちNPO法人生活あんしんサポートは、こうした“制度のすき間”や“声なきニーズ”に気づき、手を差し伸べる存在でありたいと考えています。見守りや買い物代行、役所の付き添い、終活や死後の手続きの支援、時にはその人の「これからの生き方」を一緒に考えることもあります。

支援を通じて出会った方々の多くが、「こんなことまで相談していいんだね」「頼っていい場所があるって、ほっとする」とおっしゃってくださいます。その言葉が、私たちの活動の原動力です。

【今後の重点的な取り組み】

  1. 終活・死後事務支援の強化
    保証人がいないことで入院や施設入居ができない人、死後の手続きに不安を抱える人の支援を進め、行政書士や司法書士と連携した契約支援も行っていきます。
  2. 地域との連携強化
    宅配業者、新聞配達、民生委員、クリーニング店など、日常的に地域に関わる人々とゆるやかな見守りネットワークを構築し、異変に気づける仕組みづくりを目指します。
  3. 情報格差の解消
    スマホやインターネットが苦手な高齢者にも、わかりやすく、丁寧に。デジタルと対面を使い分けながら、相談や手続きのハードルを下げていきます。
  4. 生活支援コーディネーターの育成
    制度や地域資源に詳しく、本人の気持ちに寄り添える人材を育て、支援が“点”ではなく“線”として続くよう、包括的な支援体制を整えていきます。

生活支援とは、単なるお手伝いではありません。その人が「この町で、最後まで自分らしく生きる」ための環境づくりそのものです。誰もが年を重ねても安心して暮らせる社会を、私たちは地域の皆さまとともに実現してまいります。

「ここなら安心して相談できる」
「一緒に支えてくれる人がいる」

そう感じていただけるよう、私たちはこれからも丁寧に、一歩一歩活動を積み重ねていきます。

NPO法人 生活あんしんサポート
理事長 生田 忠士

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